ラオスのラオ子。

美味しいものと音楽で、Memento Moriな毎日を。青年海外協力隊2018年度3次隊コミュニティ開発隊員の活動記録兼ラオス情報。

ラオス旧正月!バーシースークワン初体験で、ちょっと泣いた話。

さばいでぃー!

 

さばいでぃーぴーまい!(あけましておめでとうございます!)

皆さんこんにちは、ラオスのラオ子です。

1月1日のインターナショナルニューイヤー、2月の中国旧正月に続き、4月15日、ラオスは今年3回目の新年を迎えました。私の活動先である産業商業局は、11日が新年のパーティー。12日は後片付けや余韻(皆あちこちで飲んでいて働くモードはどこへやら)で、私も局には行かなくて良いと言われたので家でたまっている報告書の作成や料理にあてました。

そして13日から17日まで5連休。活動先によってはもっと長期休暇のところもあるそう。逆に1月1日のインターナショナルニューイヤーは元旦だけが休みで2日からは普通に仕事なんだとか。いかにラオスで旧正月が大切にされているかが伺えます。

 

旧正月、どんなかんじ。

 

メコン流域の国々、本当に面白い。文化や宗教、言語など、過去の歴史の中で深いつながりがあったことを感じさせてくれます。4月になると、タイは「ソンクラン」、ミャンマーは「ティンジャン」、カンボジアは「チョール チュナム トメイ」と、周辺国は旧正月を迎えます。(ベトナムのテトだけが、ちょっと特殊かも。)

ここラオスも、ほぼ同じタイミングで「ピーマイ(ピー=年、マイ=新しい)」があり、今年は4月13日から17日までは旧正月の大型連休(当局の場合)。

正月1週間ほど前から事務所に来る人が少なくなり、各々買い物や、産業商業局とつながりのある省庁・企業などのパーティーに出席し、千鳥足で昼過ぎごろに局にやってきました。

それが正月に近づくにつれエスカレートし、水でびしょぬれ、ベビーパウダーで粉まみれのおじさんたち(といっても局の中では課長、部長クラスの方たち)が、私のデスクの前にあるソファにドンと腰かけてゆらゆら。

「ビール飲んできたの?」「うん」「どこで飲んでたの?」「〇〇局に呼ばれて」「いっぱい飲んだんでしょ」「うん」「クーラーあたって寝てて」「うん」「水飲む?」「いらない、ビール飲む」「無いよw」「買ってきて、お金あげないけど」「嫌だよwwww」と、私は千鳥足のおじさんたちとどうしようもない会話をして過ごしました。

そんな感じで、お正月が近づいてくると、家も会社も関係なく色んなところにぽつぽつとテントが張られ、爆音でラオミュージックが流れるなか、皆ゆる~く飲んだり食べたり踊ったりするようです。

 

産業商業局の正月祭で「バーシースークワン」初体験

 

 

4月10日夕方、いつも閉まっている「ほーん ぱすむ(会議室)」が珍しく開いていて、中から人の笑い声が。さっき水びたし&粉まみれですれ違った、完全に出来上がった課長が入っていくのが見えたので、私は見なかったことにして事務所へとこっそり戻りました。

 

 

その後、他の局員さんから「ラオ子!おいで!」と呼ばれたので、「キンビア(飲み会)やったら地獄やなあ・・・」と思いながら恐る恐る部屋を覗くと、コンクリの打ちっぱなしの床に茣蓙が敷かれて、翌日の「バーシースークワン」の準備をしている最中でした。

冗談なのか意味があるのかは定かではありませんが、ひょろひょろぐにゃぐにゃの長いロウソクを頭に巻かれ、顔の長さを測るかのように頭のてっぺんから顎までべたっと押し付けられ顔面をばしばし叩かれました。

 

 

それを、ロウソクを束にしてしめ縄のようになった塊に合体。「何したの?」って聞いたら「ぼーぺんにゃん!(大丈夫!)」と言われたので、大丈夫なんだと思います。

 

 

そして翌日、お酒が飲めない私には悲しいぐらい憂鬱な「大晦日前日」の11日、この日は産業商業局の仕事は1日中お休みで、息もしたくないような暑さの中、「ぶん ぴーまい(ぶん=祭)」つまり、お正月のパーティーが開かれました。

 

 

朝から皆せっせと「バーシースークワン」というラオスに伝わる儀の準備。家族が大きな病気をしたあと、新年、家族が留学や仕事で遠いところに行く前などに、幸せを願って行われるそうです。私は今回バーシースークワン初参加。派遣前訓練中に、ラオ人の先生が作ってくれたミサンガで隊員同士でバーシーの練習をしたことを思い出し、板書を見て何を言ったらいいのか復習。

 

 

家族だけで行うこともあるそうですが、お正月のバーシーは特別。お坊さん4人に来てもらい盛大に儀式が行われました。

 

 

運ばれてきたタライにはたくさんのピンカイ(焼き鳥)が入っていて、お姉さんたちが中華包丁を使って次々叩き切りしていきます。

 

 

 

そしていよいよ、儀式が始まりました。

各々持ってきた仏具(?)にロウソクを立てて黄色いお花を入れ、手を合わせてお坊さんのお経を聴きます。

 

 

田舎のお寺の保育園で育ててもらった私にはなじみ深い「ブッダンサラナンガッチャーミー」。カンボジアで初めて聴いたときは「本当に言うんやああ!!!」とものすごく感動しましたが、同じ上座部仏教のラオスでも同じお経を聴くことができました。その後には「ダルマンサラナンガッチャーミー、サンガンサラナンガッチャーミー」と続きます。「三帰依文」というもので、「ブッダ(仏)、ダルマ(法)、サンガ(僧)」に帰依するという意味だそう。

その後は「ドゥティヤンピ(ふたたび)」「タティヤンピ(三度)」を頭に付けてまた同じ言葉を繰り返します。

 

 

そして時折、水でふやかったもち米や、キャンディー、お花、小さく折られたお金などが飛んできました。

 

 

「よかったね、ラオ子!幸せがやってきたね」

 

なるほど、そういう意味なのね。

 

お坊さんが錫の器に入った聖水を、葉がたくさんついた木の枝をつかって全員にかけてまわり、またお米があちこちから飛んできて。結構、びちゃびちゃ。後半になると、床も、体も、頭も、米まみれ。もち米が撒かれるたび、「わぁ~~!!」と歓声があがります。

 

 

そして、結構長かったお経が終わり、お坊さんはこちらで用意したご飯を食べます。

 

お経を唱えている間火柱をあげていたロウソクと、残った水。このお水を体につけたり、ペットボトルに入れて持ち帰ったり。日本でいう、お寺に行ったときにお線香の煙を浴びるようなものでしょうか。

 

 

 

そしてお坊さんたちがお帰りになり、バーシーが始まりました。

「ラオ子、あなたは初めてだから一番前よ!」「でも写真撮りたくて・・・失礼じゃないかな」「大丈夫!手を合わせてる間は皆と一緒にお祈りしてね」と言ってもらえたので、一番前でバーシー式を体験させていただくことに。

 

 

真ん中に置いた祭壇のようなものから伸びる糸を皆で持ち、進行役の一人が何かをずっと唱えています。その村の長など、位のある人が、が口伝された祝詞のようなものを唱えるようです。(語学力の限界・・・。)

そして時折みんな「サーーー!」とこたえる。このタイミング覚えたいなあ。

 

 

終わったら、みんなで祭壇のオレンジや白の糸を分け合って、手首に結びます。卵や鶏肉を握らせて結ぶ人、お金を握らせてお願い事をする人、いろいろ。

 

私も上司・同じ課の人のところに結びに行きたいな、と、必死で覚えた言葉を思い出そうとしていたところ、「ラオ子!ラオ子!」とみんなが私のところに結びにきてくれました。

 

 

ビエンカムにきてくれてありがとう。

 

あなたと一緒に仕事ができて嬉しい。

 

2年間、健康で過ごせますように。

 

2年間、ここでの生活が安全でありますように。

 

たくさんのラオ人の友達ができますように。

 

ここが第2の故郷になりますように。

 

ビエンチャン県のODOP商品を、協力してたくさん売っていけますように。

 

あなたが笑顔で頑張れますように。

 

あなたと、日本にいるあなたの恋人や家族が健康でありますように。

 

2年後にはもっともっとラオ語でたくさん話ができますように。

 

日本とラオスがもっといい関係になれますように。

 

多分、もっとたくさんのことを言ってくれていたのですが、今の私に聴き取れるのはこれぐらいでした。

 

でも、十分でした。私の手を取り、ゆで卵やお金を手のひらに乗せて、私の目を見て、とびきりの笑顔で、私の2年間の活動や、ここでの生活が豊かになることを祈ってくれた。

もっと聴き取れたら、と、悔しい気持ちになりながらも、みんなの温かさに胸がいっぱいになって、喉の奥がぐっとなりました。こらえきれず涙が出てしまい、「どうして泣いてるの」と聞かれ、「嬉しいからだよ」と答えると、「その気持ちで、これから頑張ろうね」と。

 

 

こんな風に、温かい気持ちと真っ直ぐな言葉でお互いの幸せを願う儀式が、職場や家庭で当たり前のように行われる。なんて素敵な文化なんだろうと思いました。

日本に居たときは、「仕事は仕事」「プライベートはプライベート」と完全に分けた働き方しかした事がなかったし、それが当たり前で、普通なのだと思っていました。でもラオスは違っていて、もっともっと距離が近くて、皆がみんな親戚のような感じ。だからこそ理解し合えること、助け合えることもたくさんあるんだろうなと、ここに居た1か月半みんなの働き方を見て感じました。

 

 

この後引き続き行われた「ぶんぴーまい」の飲み会は、お酒が飲めない自分にとって結構辛いものでしたが(これはまた後日)、バーシーの儀式は「心があったかくなる素敵な時間」であるということを知った素敵なお正月となりました。

今度のバーシーでは、私がみんなの幸せを願って糸を結べるようになりたい。このモチベーションを語学の勉強にあてたいと思います。

 

 

ネットで調べると諸説あるのですが、結んでもらったバーシーの糸は3日~2週間ぐらい置いあと切るそうです。それまでにも結び目の甘いものが自然と取れていきましたが、糸がたくさんついていると炊事や入浴のあと重さを感じるぐらい水を含みます(笑)

 

取れてしまったものは家の鍵に結んで、残っているものはこのままにします。見るたびに皆に貰った温かい言葉を思い出せます。皆、ありがとう。